天職!トイレにかける物語
No.24 東京都八王子市/産業ブランディング(下)

 大学時代から独立を決意していた、産業ブランディング(東京都八王子市)社長の佐竹明(37歳)
は、トイレの予防型メンテナンスサービスの『アメニティネットワーク』の存在を知り、加盟を検討。

 グリーンシートに株式を公開していたアメニティ(本社・神奈川県横浜市、山戸里志社長)の財務状
況をちょうど検証し終わった頃、仕事で新宿の高層ビル街のエレベータに乗った佐竹は、偶然アメニテ
ィの制服を着た青年が、最後の一人が乗り終わるまで「開」ボタンを押し続ける姿を目撃。その姿に
「この企業は礼儀正しいフランチャイズ(FC)本部だ」との好印象を受け、青年を追いかけて加盟開
発担当者の取締役の名前と連絡先を教えてもらう。

 数日後アメニティ本社に面談に行った佐竹を待っていたのは、儲け話どころか山戸の厳しい話。「本
部トップとお会いするまでは『FRANjA』を読むなど半年はどの時間を費やしたが、何の迷いもな
く2週間ほどで加盟を決めた」と佐竹。加盟金の210万円の他、薬剤、営業車などを含めて約500
万円の初期投資でスタートした。

 佐竹の本気度の分かる逸話がある。埼玉県所沢市出身だが、何の躊躇もなく大学や病院、特養などの
施設数を調べ、最も多かった八王子市に転居して事業をスタートさせたのだ。35歳の誕生日の11日
前に無事会社を設立、銀行口座を開設した帰りに、ふと目に留まったお寺に、佐竹はスーツ姿のまま飛
び込み営業をした。3日後のアポイントを取り付けたと本部に報告したところ、当日、社長の山戸が駆
けつけて同席し、成約に至ったそうだ。「加盟前研修で教わってはいたが、目の前で本部トップによる
『アメニティネットワーク』の営業を見せてもらったことで最高のスタートになった」と、嬉しそうに話す佐竹。

「アメニティ本部はこちらが求めれば高レベルのノウハウを有する社員が支援してくれる。また、各フランチャイジーの営業種目、手法は独自スタイルを認める社風で、売上高や顧客数を伸ばすも落とすも自分次第という点が自分に合っている」と佐竹。2期目ながら、契約社数は103社で売上高は1950万円と業績も順調だ。
「今後はトイレの状態が施設の集客ツールになり得る」と考える佐竹は、お客様ニーズを叶え「ありがとう」が一杯の♂c業会社”を創っていこうと希望に燃えている。

『FRANJA』(フランジャ)84号掲載 2015年1月15日発行

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