天職!トイレにかける物語
No.20 福島県いわき市/アメニティカンセイ(下)

 福島県いわき市でトイレ管理メンテナンス、一般 廃棄物収集運搬業、浄化槽保守点検業などを手広く60年以上営んでいるカンセイ(根本宏社長)が、トイレの予防型メンテナンスのフランチャイズ(FC)本部のアメニティ(本社・横浜市、山戸里志社長)に加盟したのは2005年12月。単独での営業展開への限界、断片的だった技術がトータルで まとめられている本部のノウハウ、また、本部トップの山戸里志氏の大きなバックアップがあってのスタートに「今でも横浜に足を向けては眠れない」と根本は語る。

 『アメニティネットワーク』FCに加盟して最も大きな財産となっているのが、社長会、ショップ会、分科会といった会合を中心に、全国の地方都市に根を張る加盟企業の成功事例や苦難を共有できることだという。また、アメニティ独自の社内検定資格(厚生労働省認定)「トイレ診断士」制度は、従業員の技術力の成長はもとより、「自分たちは単にトイレの清掃作業員じゃない。トイレ状況の診断の出来る有資格者なのだ」という自負心も生まれ、リピートメンテナンスに自信を持たせることが出来ている。カンセイには根本も含め「トイレ診断士1級」保持者が3名、2級が7名、アネットライセンスが2名と、計12名の専門化が育っている。

 また、2011年3月11日の、あの「東日本大震災」の直後に、山戸社長自らが運転して、道なき道をひた走って支援物資を届けてくれたという。「山戸社長に同伴していた若い社員は運転免許を持っていなくて(苦笑)。山戸社長がずっと走り続けてくれたのかと思うと感動して…‥」と、声を詰まらせる根本は、これからはしてもらうばかりじゃなく、自分こそ本部の力になれる企業、福島の復興、東北支援ができる企業になりたいと思ったと話す。

 加盟2年目のアメニティ部門の売上高は約183万円だったが、9期日の今年度は975万円超の売上高へとアップし、カンセイの売上高の約1割にまで成長。
 また、アメニティ事業の社員の中に女性が2名活躍しており、その1人が根本の長女だ。これまでの経験から営業もトイレ診断もメンテナンス作業も女性の行き届いた視点は武器になると感じている根本は「ゆくゆくは女性専門のチームを作りたい。
女性のチカラを活用し、雇用を促進し、アメニティ部門でカンセイの半分近くの売上高にまでして伸ばせれば」と豊富を語っていた。

『FRANJA』(フランジャ)80号掲載 2014年5月15日発行

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