トイレの予防型メンテナンスのフランチャイズ(FC)本部であるアメニティ(本社・
横浜市、山戸里志社長)にフランチャイジーとして加盟し、水を得た魚のように毎年右肩
上がりの業績を上げ続けていたCSリレーションズ(ショップ名は『CSアメニティ』)
社長の増田恭章氏(46歳)。
初年度の売上高が1800万円だったものが7期日で1億円という大台を突破。その頃
には社員12名を雇うまでになっていた。
ところが「好事魔多し」とはよくいったもの。この頃、12人のうち10人の社員が退
社、しかも幹部社員が顧客名簿を持ちだして競合会社を立ち上げるという大事件が起こっ
た。事件直後は、顧客先から毎日キャンセルの電話が鳴りやまなかったそうだ。
増田は当時を振り返り「身から出た錆です。仕事が取れる状況に有頂天になり、社員を
場当たり的に採用し、教育も理念の共有も『分かってくれている』と性善説でとらえ、自
分は“経営者の仕事”を何もしていなかった。この経験を糧に“採用”と“教育”に本気
で取り組み始めました。特に入口の“採用”には時間も情熱もお金も掛けるようになっ
た。辛かったけれど必要な経験だった」
また、これを機に増田自身が理念経営の重要性を学び、自社の経営理念を明文化した。
「経営計画書」を作成し、期首には従業員、FC本部、加盟企業仲間にも参加してもらっ
て目標を共有し、浸透させる仕組みも作った。
さらに、2010年からは、念願だった新卒採用もスタートさせている。既に4期で
15人の新卒社員が入社し、来期入社予定の内定者6人も決まり、春を待たずにアルバイ
トに入ってくれている学生もいるそうだ。
加えてアメニティの顧客先は小売店や飲食店が多いため「自分たちで経営してみなけれ
ば、本当のお客様のニーズは分からない」と携帯ショップのFCにも加盟。このFCもア
メニティの山戸里志社長同様に「この人と一緒にビジネスをやって教えを乞いたい」とい
う本部トップとの出会いが加盟を決めた理由だ。
増田は「10年後の29期には売上高50億円・従業員数250名の企業へと地に足を
つけた成長をします!」と明言。「あなたに出会えて本当によかった!」「一緒に仕事が
出来て嬉しい!」といった「ありがとうの気持ち」に包まれた良い影響を与える人間集団
である「日本一の中小企業」を目指しているという。
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