1995年1月、トイレの予防型メンテナンスのフランチャイズ(FC)本部であるア
メニティ(本社・横浜市、山戸里志社長)とFC契約を交わし、『CSアメニティ』を開
業したCSリレーションズ社長の増田恭章(46歳)。
現在CSリレーションズは、第18期を終えて年商約12億円のマルチフランチャイジー
(携帯電話ショップ等も経営)へと成長し、『アメニティネットワーク』のフランチャイ
ジーの中でも“若手のエース”的存在だ。
増田は高校卒業後に新卒で入った企業で、既に“営業マン”としての才覚を発揮して最
年少営業実績を達成。その会社を4年で退職し、若さと勢いをかって仲間5人で出資した
エアータオルの販売事業で独立したものの、3年を持たずに失敗敗している。エアータオ
ルは“フロー型ビジネス”で新規顧客の獲得を常に追い求め続けなければならない。
そのため、販売先がどんどん遠方になっていき生産性が悪くなっていったことに加え、
4年のリースで販売していたのに2年ほどで「故障したからすぐに来てくれ」といったク
レームが続発したのだ。
負の遺産を返すため、増田が困窮しながら走り回っていた頃、横浜市内の顧客が増田の
頑張りをアメニティの幹部に話していたことから、本部から声をかけられたのが縁だった。
「借金を返しながら新しい道を探していた時に山戸社長にお会いした。一所懸命やってい
るのに空回りばかりだった自分に真剣に親身に相談に乗ってくれ、ダメなことはダメとは
っきりおっしゃってくれた山戸社長の言葉に一筋の光が見えました。26歳で初めて“人
生の師”と出会え、こういう人と一緒に仕事をしていけば自分は成長できると思って加盟
を決断した」と増田。
また、アメニティは“ストック塑ビジネス”で、一度契約が取れると顧客先がどんどん
積み上がっていく。自宅の2階を事務所にし、営業も作業も事務処理もたった一人で踏ん
張った孤独なスタートだったものの、初年度で1800万円、2期目は2900万円、3
期目は4200万円と見事に右肩上がりのカープを描いた。
3期目には従業員を二人雇い、7期目には1億800万円を突破。「あの頃はただがむし
ゃらに、迷いもなく頑張っていた」と増田は振り返る。
しかし、順調に売上高を伸ばしていた矢先に思いがけない事件が増田を襲う。
(つづく)
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