天職!トイレにかける物語
No.13 京都府京都市/アメニティコスモス(上)

 アメニティコスモスの代表取締役である瀬古浩史は、大学卒業後の1991年にクルマ
好きだったことからブリヂストンの100%子会社に入社。顧客サービス部門に所属し、
社会人としての一歩を踏み出した。
 その2年後、父・重樹が経営する貸しおしぼり業とマットレンタル業を営む東山リース
(現:アメニティコスモス)に後継者として入社。
 入社後は、貸しおしぼりやマットの配送、営業を担当したが、いずれの業界も既に飽和
状態で、市場の奪い合いや価格競争に巻き込まれており、新たなビジネスの模索が必要と
感じていた。


 そうした頃、貸しおしぼり業の同業者がフランチャイズ(FC)加盟しているアメニテ
ィのトイレビジネスを紹介されたのだ。
 その加盟企業から、「トイレメンテナンスを専門に取り組んでいる企業は他になく、オ
ンリーワンのビジネスモデル」、「なぜ、トイレは臭いのか、汚いのか、どうしたら解決
できるのか」といった科学的理論で説明を受け、直感的に「これだ!」と感じたという。
 そこで、瀬古は当時の「トライアル制度」を活用し、95年1月、アメニティを紹介
してくれた同業者の協力店として取り組みをスタート。そして、アメニティのトイレビジ
ネスにますます魅了され、翌年の10月には正式にFC契約を締結したのだった。

 この間、アメニティ本部での研修を受講、イレギュラーではあったが、オーナーや従業
員が集う全国会議にも出席させてもらった。その会議で、偶然隣り合わせた神戸の加盟店
オーナーから、営業のアドバイスを受けるなど、トイレビジネスのシステムのみならず、
同じ志を持つ加盟店相互の関係性の濃さにも感銘を受けたのだった。


 東山リースの事業の柱は3本になったが、瀬古はアメニティのトイレビジネスに専念。
自分はトイレについては全くの素人なのだから、早期に専門的な知識と技術を身につける
ためには現場での経験を積むことが早道だと考えたのだ。瀬古は、近隣の加盟店を紹介し
てもらい1年ほど現場同行をさせてもらいながらアメニティのトイレサービス技術のいろ
はを徹底的に学んでいった。

                                   (つづく)

『FRANJA』(フランジャ)73号掲載 2013年3月15日発行

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