天職!トイレにかける物語
No.08 愛知県豊川市/アメニティ愛知(下)

 松橋利和(アメニティ愛知社長)は、アメニティ愛知への転職によって、まさに“天職“
を得ることになり、滝下勲(当時社長、現会長)の期待通りに業績を伸ばしていく。
『アメニティネットワーク』に加盟する全国のフランチャイジーは、トイレビジネスの中
でもそれぞれに得意分野があり、各加盟社ごとに持ち味があるのも大きな特徴だ。例えば
松橋は、アメニティのトイレビジネスの中に“節水事業“を積極的に取り組んでいる。

 この節水事業は、アメニティ本部がアメニティのトイレビジネスの中で大きな柱の一つ
に据えているもので、希望する加盟店に対しては指導、そして事業推進案も提供している。
 アメニティの節水事業というのは、病院等の大型施設を持つ事業者を対象に、施設全体
の適正水量化を図るもの。その診断調査から節水機器導入まで、水道関連の専門的な知識
を要し、提案から成約までには最短でも半年以上の時間と相応の人員が必要となる事業で
ある。その分、成約に至れば1000万円を超える売り上げを得られるケースもある。
 事実、松橋も成約までに約2年かかった事例もあったが、節水事業とトイレサービスの
導入から9年以上の付き合いを続けている顧客先もあるという。

 こうして松橋は、節水事業を取り組むことによって、アメニティ愛知に特色を持たせる
ことに成功した。
 そして、おしぼりのレンタル業とアメニティ事業の“二束のわらじ“を履いていた滝下
会長は、2008年6月にアメニティ愛知を見事に蘇らせた松橋に社長の座を譲ったのだ
った。
「以前は営業に専念していればよかったサラリーマン。社長になるまでは資金の動きが分
からなかったので、社長就任当初は苦労しました」と語る松橋だが、今では全ての決断を
自らできることに大きな喜びを感じている。

 とはいえ資金繰りはもちろん、マネジメントなど経営者としての新たなチャレンジが始
まった。
そして、11年12月には、それまでの事務所から移転もし、名実ともに独立を果たした。
 2008年秋のリーマン・ショック後に業績を落とした企業も多いが、「不況とビジネ
スの結果は関係ない」と揺るぎなく実績を積み上げ続ける松橋の挑戦は続いている。

『FRANJA』(フランジャ)68号掲載 2012年4月15日発行

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