天職!トイレにかける物語
No.06 栃木県芳賀郡/アメニティ北関東(下)

 39歳にして、晴れて一国一城の主となった岩崎伸幸(アメニティ北開東社長)だったが
まさにゼロからのスタート。
 独立したことへの後悔は全くなかったが、唯一岩崎が心配だったことは健康面だったと
いう。
「もしも今、自分が倒れたら、借入資金の返済など、残された家族に大きな負担がかかる
」と考えたからだ。
 事実、開業間もない頃には肺炎を患い、医師から入院を勧められたほどの状態だったに
もかかわらず「自分がやらなければ」と、点滴を打ちながら業務をこなす時期があったと
いう。

今になって冷静に考えれば、本部にサポートを依頼すればよかったのだが、当時は、そこ
まで頭が回らなかったのだ。

 そうした気負いが邪魔したのか、開業から2年ほどは、前職時代に培ってきた営業ノウ
ハウの成果も思うように発揮できず、顧客数も増えていかない中で、借り入れた運転資金
を食いつぶす日々が続いた。そして、3年目に入った頃、いよいよ資金も底をつき緊急事
態を迎えてしまう。
 その時『アメニティネットワーク』のフランチャイズ本部であるアメニティが「我々の
スーパーバイジング機能を上手く果たせていないのも、成果が出ない要因の一つだ」と、
本格的な支援に乗り出してくれた。更なる運転資金の借り入れと、集中的な営業支援が行
われたのだ。

 そして、開業4年目には月商150万円の基礎売り上げを達成、事業を軌道に乗せることが
できた。さらに、これを機に社員一名の採用に踏み切り、二人体制で徐々に売り上げを伸
ばし、2008年頃には月商300万円を達成。
 社名通り、岩崎の本拠地は北関東だが、東日本大震災に遭っても月商で30万円ほどしか
落とさず、それも今では徐々に回復しつつあるという。
 実直な性格の岩崎は、自社の成長はもとより、現在、アメニティ独自の社内検定制度で
ある「トイレ診断士」などの試験運営を担う「アメニティネットワーク技能検定協会」
(本部と加盟店が同列の立場で構成された任意団体)の役員として、フランチャイジー仲
間の若手スタッフの育成にも力を注ぐ毎日だ。

『FRANJA』(フランジャ)66号掲載 2011年12月15日発行

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