御手洗銀三のトイレコロジー
No.57 ♪トイレの神様♪

 シンガーソングライターの植村花莱さん(27歳)が歌う「トイレの神様」が話題沸騰中である。
 大阪のラジオで流れて問い合わせが殺到したそうで、我が社のブログでも、3月にこの曲がりリースされる前の1月頃から「You Tubeで見た」などと評判になっていた。
 普段、仕事の話しかしない社長室の社員たちからも「聴いていると涙が出ちゃう」という声が聞こえてくるぐらいだから、大ブレイクの予感がする。どれどれと、私も聴いてみたが、やはり涙なしには聴けなかった。「トイレの神様」は、植村さんが4年前に亡くなった祖母との思い出を弾き語ったものである。

 植村さんとおばあちゃんの2人が一緒に生活し、鴨南蛮を一緒に食べ、五目並べをして遊んだ子供時代、素直になれなかった思春期、家を飛び出し祖母と離れた時期、そして、突然に訪れたおばあちゃんの死……。
 10分近い歌なのだが、植村さんのつま弾くアコースティックギターと温かみ溢れる声に時を忘れ、誰もが「自分物語」と重ね合わせて涙するに違いない感動作である。

 彼女は 「この曲を聴き終わった時に、大事な人が当たり前にそばにいてくれることの大切さ、幸せを改めて感じてもらえると嬉しいです」とコメントしている。
 「トイレを掃除すると、べっぴんさんになれる」というおばあちゃんの言葉に、植村さんは、自宅はもちろん、学校のトイレも掃除していたという。実際に映像で見た植村さんは、素晴らしいべっぴんさん″でもあった。

 「トイレには それは それはキレイな女神様がいるんやで だから毎日キレイにしたら 女神様みたいにべっぴんさんになれるんやで」(植村花菜作詞・作曲、キングレコード)おばあちゃんの「トイレの女神様べっぴん教育」は、本当に孫の身も心も
磨きあげていたのだ。

 彼女の歌に共感できる人が多いのなら、日本人もまだまだ捨てたものじゃないと思う。世界中で大流行してほしいとさえ感じる。
 何度も聴いているうちに、ふと思った。我が社の「トイレ診断士」たちに美男美女が多いのは、女神様の所以なんだろうかと……。

『FRANJA』(フランジャ)57号掲載 2010年5月15日発行

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