御手洗銀三のトイレコロジー
No.54 CHANGE″

 「アメリカ/オバマ大統領」 「民主党/鳩山総理大臣」。今や、変化を象徴する名称となった。

 折しも鳩山総理誕生の5日目には、国連の安全保障理事会、国連総会が開かれ、各国首脳の講演が行われた。渡米した鳩山総理の英語でのスピーチは、各国に好感を持って迎えられたようだ。
 特に、「温暖化対策のCO2削減量25%を達成する」とした公約には、会場から大きな拍手が響き渡った。

 昨年のリーマンショック以来、世界経済の停滞と後退は目を覆うばかり。いまだに先が見えない経済状況下。そんな中でのオバマ大統領の「核軍縮」や、「米国一国主義から国連中心の多国間主義宣言」を各国が歓迎し、続いて、世界唯一の被爆国である日本の鳩山総理による「非核三原則の再宣言」。
 確かに、世の中が大きく変化し始めたようである。日米共にCHANGE″を選挙戦に掲げて、共に民主党が圧勝した。そして、今までの政治家が黙していた 「世界の正義」を力強く語り始めたのである。
 CHANGE!と言う言葉が、希望に満ちた響きを持つものだと、新鮮な驚きを感じている。

 我がトイレビジネスでは、どこから手をつけるか。やはり地球温暖化に焦点を合わせ、現在の環境問題を再認識する必要がある。そのためには、トイレのメンテナンスは、環境負荷を軽減するアメニティの予防型メンテナンスへのCHANGE!だ。

 ひるがえって、我が家では家中の部屋に煌々と電灯が灯されていたりすれば「もったいない。地球資源の無駄使いよー・」と、家内が消して歩く。トイレの洋便器が開けつばなしになっていれば、「無駄な電気を使うのよ」と言ってフタを閉めて歩く。まさにカンキョウ母さん〃の面目躍如である。
 だが、我が家は、「蛸足配線」 だらけなのだ。蛸は足八本であるが、桶の中のウナギや蜘蛛の巣のようにどこの部屋も無数のコードが張り巡らされ、カンキョウ母さんがテレビショッピングや通販の魅惑に踊らされて購入した家電製品の山である。

 トイレを見れば「お尻だって洗ってもらいたい」 のコマーシャルに誘われて買った洗浄便座。浴槽の中にもコードが引っ張り込まれてブクブクと泡が立っているのである。
 家電商品に囲まれて「地球温暖化対策を叫ぶ!」 である。

『FRANJA』(フランジャ)54号掲載 2009年11月15日発行

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