御手洗銀三のトイレコロジー
No.4

4K問題はトイレだけではなかった


「構造改革無くして日本の再生は無い!この内閣は新世紀維新を断行する」小泉純一郎新総理に国民の80%を超える支持が集まった。
日本経済の失速、政治への不信、そして教育の興廃等々…閉塞感、失望感に近い世相が蔓延している。日本国民は、現状打破の望みを託して、権力の座から最も遠いと思われていた政治家を総理大臣に選んだ。
さすがに、勤勉で我慢強い我が同胞達も、権力(政治)、経済、金融、官僚の4Kに、「臭い、汚い、暗い、怖い」の4Kをダブらせている。

大手企業の倒産やゼネコンに象徴される経済の暗さ、不良債権続出の金融界のいい加減さ、実力官僚と言われる人の裏世界、そして、権力で経済、金融、官僚に幅を利かせる政治家と…。そんなドロドロした世界とは縁を切り、綺麗でクリーンな21世紀を。そんなせつない国民の願いが、この新内閣を選んだのだと思いたい。

20世紀の最後の10数年間、我々はトイレの問題点は4Kと注目していた。先に挙げた「臭いトイレ、汚いトイレ、暗いトイレ、怖いトイレ」の事である。当時は、「トイレは臭い」が常識であった。しかし、良く調べて見ると4Kトイレを好きな人は、一人もいなかったのである。皆が、緊急で止むを得ない時以外は、無臭で綺麗、明るくて安心なトイレを選んでいたのである。

私は「トイレサービスの専門店」を起業し、快適なトイレの普及に努めた。その甲斐あって、今は全国に117店舗のFC店が看板を掲げている。そして共通のキャッチフレーズは、「トイレは美しくなければならない」である。
20世紀の社会は「政治は汚いもの」を常識にしていた。21世紀の常識は違う「政治は美しいもの」である。

『FRANJA』(フランジャ)4号掲載 2001年6月15日発売

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